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  • Tokyo Ensemnable Factory プロフィール

    2012年6月結成


    クラシック音楽の延長線上にある現代音楽のなかでも、特に2000年以降の作品をメインに、知的な感性を刺激する演奏会を企画しています。
    また、クラシックの奏法にはみられない、特殊な奏法を屈指し、現代音楽の先鋭として認識され初めています。

    当団設立意図

    近年国内における現代音楽と呼ばれる分野はかつてない規模の危機に瀕しています。
    演奏会をやってもお客様が会場の半分もいらして下されば良い方なのに、著作権料から莫大なレンタル楽譜料から特殊な楽器の料金から会場代から、良いものを上演しようとすればするほどその分経費が次々と掛かるため、赤字を減らすために規模を縮小してきた結果、魅力も減少し結果としてお客様からの注目度・満足度も減り、そのため経済的余裕が無くなりさらに規模を縮小するので才能有る音楽家は違う分野へと出て行ってしまう・・・この様な悪循環の真っ只中を漂っているような状態です。

    代表がこの団体を設立しようと考えていた時はこの様に「お先真っ暗」な時代で、それも一因なのか芸術系の作曲科を志す学生も本当に少なくなって来ていました。
    確かに大手の財団がプロデュースする演奏会では現代音楽を比較的積極的に取り入れていましたが、失態を恐れてプロデューサを業界で名の通った人ばかりにした事が反って、本当に現代音楽の面白いところまで「手が届いている」とは言い難い状況、つまり聴衆が本当の現代音楽の楽しさを味わえていない状況を作り出していました。
    そして当時あった他のそこそこ優秀な現代音楽アンサンブルを含めて、
    ・現代音楽の本当に面白いところに手が届いたプログラムが少ない
    ・1国に身を置く演奏団体が自国の作曲家、作品にほとんど目を向けない
    この2点が業界の一員として非常にもどかしかったのを今でも覚えています。
    なぜなら最上のものが提供されない場では、創り手にも聴き手にもより一層の文化的向上は望めないからです。この状況では日本の芸術界からバッハやベートーヴェンやラヴェルといった後世に残る創造家を生み出す事、育てる事は困難なのではないでしょうか。
    加えて日本の演奏家は(現代音楽を専門に演奏する人でも)現代音楽を非常に良く知っている訳ではない(というより情報が足りない等の理由で知れていない)が故に、演奏レベルもなかなか一流に達する事が難しい状況でした。これは楽壇内で本当に面白いところまで「手が届いていない」事も一因でしょう。本当に良いものを知らないと「井の中の蛙」になってしまうのです。

    この様な大きな因子がある中で、それでもこんな大きいアンサンブルを立ち上げるのは、現代音楽の立ち位置を良くしなければいけないのは自分達自身だからだと思うからです。
    この業界に身を置く人間、現代音楽を好きだと思う人間が自ら立ち上がって積極的に自分達の信じる良いものをプロデュースしてこの分野の活性化を図る事が一番大切な事だと思うからです。
    なるほどこれは直ぐには効果は得られないでしょう。きっと聴衆の間に現代音楽の楽しさ、新しい曲を聴く事の知的快感をごく当たり前の事のように感じてもらえる日が来るのはかなり先になるでしょう。

    その日が来るまで我々は手を緩めるつもりはありません。
    たとえ採算度外視でも「本当に面白いもの」、「将来の現代音楽界・演奏家や作曲家、そしてファンの財産になるもの」を上演していこうと考えています。
    実際のところこの考え方のおかげで演奏会をやる度に各方面の方々から、傾きかけている分野に(彼らは言ってはいませんが、そういう含みでしょう・・)こんなに色々なものを掛けて大変な労力を使って馬鹿なんじゃないかとお言葉を頂いたりもしますが、この分野・業界がこれで少しでも盛り立てられればそれで良いと思います。
    誰かがやらなければいけない事だと思うのです、積極的に盛り立てる役というのは。
    これに刺激を受けて他の音楽家も立ち上がって、互いに刺激を与えながらより面白い企画、良い作品の上演を競い合っていければ本望です。

    お越し頂くお客様には、なかなか普段聴き慣れないものでご存分にお愉しみ頂けるようになるまで多少時間が掛かるとは思いますが・・・実際に良いものは熟成するのも、味が分かるようになるのも時間の掛かるものです!・・・、どうぞ末永くお付き合い頂き、一言に「現代音楽」と申しましてもその曲の方向性は本当に360度多岐に渡っておりますのでたった1回のみのお越しではなく、是非沢山お越し頂き何回かに1回でも「あ、この曲良いな」と思って頂けるものがありましたら幸いです。
    ・・・こんな事言ってますが、簡単に良いと思える作品だって山ほど有ります、演奏されてこなかっただけで。

    また、どうぞ私どもだけでなく他の団体、演奏家の公演にもお越しになって下さい。やはり人間ですので、人が違えば魅せ方も違いますので私どもとはまた違ったものもお愉しみ頂けると思います。
    特に日本の現代音楽界は諸事情が有りなかなか若い演奏家が育ちません。彼らは演奏するのにお金も掛かり、聴衆集めも大変という二重苦を背負っているので、現代音楽をやりたいと思っていてもなかなか前へ進めない状況です。しかし皆さん、若い芽を育てられない土壌など、死にゆく土壌も同然ではないでしょうか。
    どうぞ若い演奏家も、老いた演奏家も聴きに行って頂き、演奏家にも作曲家にも良ければ賛辞を、悪ければ揺るぎない批評を浴びせて下さい。それもまたこの現代音楽を盛り立てる一つの引き金となりますれば幸いです。

    Tokyo Ensemnable Factory 代表 近江典彦

    プログラミング趣旨

    上記のような設立意図のため、プログラミングにあたっては以下の点に特に重点を置いて構成しています。

    《日本でなかなか演奏されない名曲の紹介》
    経済面での収支が見合えない日本の現代音楽界ではなかなか上演される事が難しい名曲が沢山眠っていますが・・・我々がやります。

    《刺激的で聴衆の知性をくすぐる作品の上演》
    現代音楽というと「訳分からない」「音が気持ち悪い」というのが代名詞になっていますよね?・・・違います。もっと良い曲があるのに演奏されてこなかっただけです。
    良い曲をやるのは大変なんです。でも我々がやります。

    《なかなか再演されない名曲の紹介》
    1つ目と同じような理由で、やっと名曲が演奏されてもなかなか再演がありませんね・・・我々は「再演」こそ作品や作曲家にとって最も大事な「人生」だと思います。何度も再演される事でよりたくさんその曲の「味」が染み出てくるのです。

    《日本の作曲家や若い作曲家(特に日本の)の作品を積極的に取り上げる、或いは委嘱》
    設立意図の重要な1つでもありますが、とにかく国内では日本の作曲家の待遇は酷いもので、ごく小規模の編成を除いて、これだけ発表の場が少なければ良いものを書く気にもならないとまで思える状態です・・・が、我々が変えます。

    活動歴

    2012年

    2012年12月5日(水) 第1回演奏会「鎧のつけ方 徳永崇と若手の名作」を開催。
    (於:文京シビック小ホール)

    2013年

    2013年3月13日(水) 「キメラ 〜東京を浸食するクレバーな音楽」を開催。
    (於:トウキョウオペラシティ・リサイタルホール  指揮:石川星太郎

    2013年9月12日(木) 「光の蜜からドロ〜ンまで 現代音楽の普遍的名作」を開催。
    (於:サントリーホール・ブルーローズ  指揮:鷹羽弘晃

    2014年

    2014年4月23日(水) 「世界から届いたサブカルチャーの音息吹」を開催。
    (於:渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール  指揮:阿部加奈子

    2014年7月10日(木) 「福井とも子の音世界」 を開催。
    (於:渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール  指揮:夏田昌和

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